ショートコント:自我

オタク女の一人ショートコント。

シン・ゴジラを観た【ネタバレ】

シン・ゴジラを観てきました。

 

これは…これは面白い邦画ですね…!?

というのが大まかな感想です。以下は観た前提のネタバレで語っていきますね。

 

 

 

巨災対のメンバー初召集シーンの

 

「一匹狼、変わり者、オタク、問題児、鼻つまみ者、厄介者、学会の異端児」のシーン。めっっっっっっっちゃかっこよくないですか!?!?!??!?!?

からのDECISIVE BATTLE。分かってますね。分かってますね!!!!!!

 

 

 

会議のシーンなんかはテンポよくサクサク進んで行って、この辺はエヴァの経験がビシビシ生きているなーという感じでした。面白い会議が描けるのは庵野監督ならではなのだなあと。

何度も何度も繰り返し会議が行われることに関しては作中でも「会議をしないとできないことが多すぎる」といわれています。実際に会議がやたらと形式的に行われていることがここで証明されるのですが、観客と作中の人物の何気ない会話によって深い共感が生まれて没入感が増します。

個人的に好きだったのは「総理、はいります」という号令で皆が起立して礼をするところ。ああいう細かくて妙なリアリティが「虚構vsリアル」という本作のコンセプトを象徴づけています。

 

作中の人物に関しては、一人一人が仕事をしている姿が素直にかっこよかったです。発言に無駄がなく、妙にヒステリックになったりする人や異様に理解のない人が少ない。これは見ていて気持ちがよかったです。序盤の生物学者はそう言った意味で、日常通りの見識の役に立たなさ、事態の異様さと作中人物の有能さを際立たせる役目として上手く描いていると思います。

 

個人的には大河内内閣総理大臣が結構お気に入りで、決断を迫られる際の緊迫した表情には「実際のプレジデントもこうして苦悩して決断しているんだろうな」と感じさせるものでした。彼の「あまりにできすぎていない」人間的な魅力は、この作品の序盤から中盤にかけての雰囲気を上手く創り出してくれていると思います。ヘリに乗り込んだ一行が亡くなった時は結構ショックだったなあ。

ヘリ一行の中にいた花森防衛大臣もけっこうお気に入りです。彼女は重大な決断を何度も何度も大河内総理大臣に迫るのですが、彼女の迫真の表情もまた「この後どうなるんだろう」というワクワクを掻き立ててくれました。

 

一緒に見た相方とは財前統合幕僚長の「仕事ですから」にシビれていました。あれがスッとでてくるような人間になりたい…。

あと石原さとみが可愛い

 

結構各所で言われているのですが、この映画には基本設定にそぐわないような要素、つまりは基本的に無駄なものがないんですよ。

たとえば、従来の映画なら先ほど記述した花森防衛大臣なんかはもっとヒステリックな女性に描かれてもおかしくない。でも彼女にはそれがない。

赤坂なんかはもっと頭が固くて、それゆえ矢口と対立してもおかしくない。でもそれがない。

カヨコ・アン・パタースンはもっとムチャクチャで周りの人をかき回してしまって、矢口と恋愛関係になってキスのひとつでもしてもおかしくない。でも彼女にはそれがない。

恋愛、ヒス、異様に空気を停滞させる人物。それが全くない。

この映画の最大の魅力はこれだと思います。

 

ツイッターなんかでは、この映画は海外にはウケないなんて意見もありますが、私的には

日本人にウケずしてなにが邦画か

という感じです。

海外にウケるばかりが映画ですか?という感じです。その辺突き詰めた結果がやっぱシン・ゴジラの「無駄がない」という素晴らしさなんだと思います…。

邦画、これをきっかけにいろいろよくならないかな…。